続・ちまルイスのおはなし。
「勿論だ!」
ちまルイス、アルバート兄様と会う。
昼時に届いた電報の指示に従い、アルバートはダラム行きの列車に乗っていた。
重要案件勃発、至急ダラムに来られたし、とはまた随分仰々しい文句である。
だが意味もなくそのような電報を優秀な弟たちが寄越すとは思えず、アルバートはすぐさまマネーペニーにしばらくの休暇を取ると伝えて、弟たちの待つダラムの屋敷に向かったのだ。
何か問題でも起きたのだろうか。
車掌の勧めるワインもあまり喉を通らず、列車を降りたアルバートはすぐさま馬車を捕まえて手入れの整った屋敷の玄関を通った。
「今帰った」
シルクハット片手に扉を開ければ、普段ならば末のルイスが出迎えに来るはずだがその気配がない。
アルバートは僅かに眉を顰めながら屋敷の中に足を踏み入れていくと、随分と小さな足音が聞こえてきた。
軍人として鍛えていた聴覚を持ってしても小さなそれは、どう考えても大人のものではない。
だがこの屋敷に子どもが立ち入ることなどないし、感覚が鈍っているのだろうかとアルバートがため息のような息を吐いた、その瞬間。
「あ、アルバートにいさま」
「…」
幼い子どもがリビングの方から顔を覗かせてアルバートの前に現れた。
年の頃は五、六歳程度だろうか。
あまり子どもと接する機会などないためいまいち判断に困るが、自らの足で歩いて物事を認識できるならばそのくらいの年齢ではあるはずだ。
あくまでも背格好と立ち振る舞いから察する年齢ではあるが、アルバートが何より驚いたのは見知らぬ子どもが屋敷内にいたことではなかった。
少し暗いけれど風にふわりと舞う金髪に大きな猫目。
長く伸びた前髪に隠されてはいるが、右頬には爛れたまま再生されたような歪な傷跡がある。
そして自分のことを「兄様」と呼ぶ人間は世界にたった一人しかいないし、彼にしかその呼び名を許したことはない。
だがアルバートの知る彼はこんなにも目線が低いことはなかったし、鈴が鳴るような可愛らしい声で自分を兄と呼んだこともない。
思いがけない出会いにアルバートはその場に立ち止り、警戒心を解かないまま目の前の幼い子どもに目をやった。
「…あ、あの…えっと…」
アルバートの真っ直ぐな目にたじろいだのか、末の弟によく似た子どもは困ったように両手を前に指を組みながら視線を彷徨わせた。
その様が可愛らしいと感じるのはルイスによく似ているからだろうかと、アルバートは少しばかりの親近感を覚える。
だがあくまでも正体不明の子ども、威圧することに気は抜かずに相手の出方を伺った。
「お早い到着ですね、アルバート兄さん」
「に、にいさん」
「どうしたんだい?普段と同じように出迎えればよかったのに」
「ですが、こんなすがたでは…」
アルバートと子どもが膠着状態にあったのも数秒足らずのことで、すぐさまリビングの方から見慣れた次男の姿が目に入る。
穏やかに微笑むウィリアムを見れば視線は子どもに向かっていて、対する子どもはウィリアムの後ろに隠れてしまっていた。
太腿の横から小さく顔を覗かせる仕草も、整った容姿と合わせて素直に可愛らしいと思える。
ちら、と上目にアルバートの様子を伺う子どもはウィリアムと並べると彼によく似ていて、ゆえにより一層ルイスに似て見えた。
「ウィル、その子どもはどうしたんだ?」
ふわりとした金髪を優しく撫でるウィリアムの様子から、その子どもに対し警戒は必要ないとアルバートは判断する。
ならば見目愛らしい子どもを威圧することもないと、至極穏やかにアルバートはウィリアムに当然の疑問を投げかけた。
その問いかけにウィリアムは笑みを深め、自分の背後に隠れていた子どもの背を押してアルバートの前に連れてくる。
戸惑うようにウィリアムの顔を見上げて小さな手でスラックスを握りしめている子どもは、大丈夫だよ、というウィリアムの言葉を聞いてからゆっくりとアルバートを見上げた。
アルバートの半分程しかない身長で見上げれば、先ほどと同じように上目になるのは必然だろう。
澄んだ大きな瞳で見上げられて思うのは、その色も末の弟とよく似ているということだけだった。
「…おかえりなさい、アルバートにいさま」
「…ただいま…?」
その言い方も呼び方もやはりたった一人しか思い当たる人物はいない。
慣れ親しんだ出迎えに首を傾げながらも返事をすれば、強張っていた子どもの表情が少しだけ緩んで口元に笑みが浮かんでいた。
あぁ緊張していたのか。
そうアルバートが気付いてからその幼い笑みに何となく癒されていると、ウィリアムが楽しげに声を出した。
「ほら、大丈夫だって言っただろう?ルイス」
「はい、ウィリアムにいさん!」
嬉しそうにウィリアムを見上げる子どもの顔は確かにルイスに似ていた。
仲間以外には表情を緩めることのない、人一倍は警戒心の強い愛すべき末弟の姿と似ていたのだ。
「…ルイス?何を言ってるんだ、ウィル。どこにルイスがいる?」
「兄さんの目の前に居ますよ。ね、ルイス」
「にいさま」
「…君がルイスなのか?」
確かにルイスに似ているとは思っていたが、アルバートの知るルイスはこんなにも小さいはずがないし、初めて彼を見たときよりも更に幼い姿をしているのだ。
外見も雰囲気もよく似ているが、アルバートの知る彼ではない。
一体どういうことだと、ウィリアムとルイスらしき子どもを交互に見やれば、子どもの方から紹介があった。
「はい、ルイスです!アルバートにいさま、いどうのつかれはのこっていませんか?さきほどウィリアムにいさんがよういしてくれたこうちゃのじゅんびがありますよ」
小さな手を握りしめてアルバートを見上げる目は確かにルイスであり、兄を気遣う様も間違いなく彼らしさを表していた。
アルバートが絶句して子どもを見下ろしていると、ウィリアムが腰を下ろして子どもの髪に頬を寄せて抱きしめる。
随分と幸せそうに笑うウィリアムの姿にもまた、アルバートは戸惑った。
「ヘルダーがモランに送った試薬品を、誤ってルイスが被ってしまったんです。持続期間が短く役に立たないからと送ってきたらしいのですが、どうやら一時的に体が若返る秘薬のようでこの姿になりました。若返る以外には特に効能はなく、三日もすれば元に戻るとヘルダーからの手紙にも書いてあったので、信用は出来るかと思います」
「では、この子どもは本当に…」
「ルイスです、にいさま。こんなおみぐるしいすがたでもうしわけありません」
ウィリアムに後ろから抱かれたままアルバートを見上げるルイスは言葉の通り眉を下げていて、どうにもこうにも庇護欲をそそった。
出会った頃からしっかりしていた末弟だが、弟らしく愛されたがりなのに甘えるのが苦手な彼。
そんなルイスが、見るからに愛されるためだけの姿になって現れた。
その衝撃たるや、確かに電報に書かれた通り重要案件そのものである。
アルバートでさえ凄まじい衝撃を受けているというのだから、日頃からルイスを溺愛しているウィリアムがこんなにも幸せそうな顔をしている理由がよく分かった。
「見苦しくないよ、ルイス。今の君はとても可愛い」
膝をついて幼いルイスを抱きしめ、甘く蕩けた瞳で彼を見るウィリアムは至極嬉しそうだ。
ルイスにしても、恥ずかしそうにしながら頬を赤らめてはにかむ様子はとても嬉しそうに見える。
愛すべき弟二人が仲良く抱き合っている様子を見て、アルバートは口元を手で覆いながら写真屋の番号を記憶の片隅から掘り起こそうとしていた。
けれど、どうしても末尾の数字が思い出せずに苛立ちを覚える。
「うわ、本当に来たのかよアルバート」
「モラン大佐、写真屋の番号は分かりますか?明日、いや今日すぐにでも屋敷に来るよう電報を頼みたい」
「…ウィリアムと同じこと言うんじゃねーよ。安心しろ、ウィリアムの命令で明日にはこいつ専用の服と写真屋が来る手筈になってるぜ」
「そうか、さすがウィリアムだな。相変わらず頭の回転が速い」
リビングから出てきたモランと短い会話をしてからすぐに弟二人に視線を戻す。
先ほどまでウィリアムに抱かれて笑っていたルイスが、幼くも整った顔に似合わない渋顔を張り付けてモランを睨んでいる姿を見れば、こうなった原因など察するに雑作もなかった。
果実のような淡い色合いをした唇が、つんと尖って怒っている様子もまた可愛いと思う。
それはアルバートだけではないようで、ウィリアムもルイスの髪を撫でてひたすらに愛でている。
「よくやってくれましたね、モラン大佐。まさかこれだけ愛らしいルイスを見ることが出来るとは思わなかった」
「…だからウィリアムと同じこと言うんじゃねーって」
「ルイス、こちらにおいで。私にもよく顔を見せてくれないか?」
ウィリアムに抱かれていたルイスがアルバートを見れば、心得たようにウィリアムがその腕から解放してアルバートの元へと送り出す。
ウィリアムに倣い腰を下ろして、幼いルイスと目線を合わせるように向かい合えば、まだ少し緊張した様子のルイスがゆっくりとアルバートに手を伸ばした。
小さな手は節ばっておらず随分と小さい。
アルバートはその手を取って、普段のルイスとよく似ていながらも幼い面影をじっと見る。
白磁のような肌は子どもらしく仄かに染まっており、触れてみればしっとりと肌に馴染む。
相変わらず傷跡に触れることは嫌っているようなので敢えて触れることはせず、弾力のある左頬だけを構えばくすぐったいのか明るい声が漏れてきた。
「こうして近くで見るとやはりルイスには変わりないようだな。本当に体調は大丈夫なのかい?」
「はい。いまのところ、きになるところはありません」
「そうか。なら戻るまでの間、私とウィルで面倒をみてあげよう」
「ごめいわくおかけします、にいさま」
しゅん、と肩を落とす様がまた庇護欲をそそる。
こんな非常事態だというのに自分のことよりも迷惑をかける家族のことを考える思考回路は褒められたものではないが、そんな謙虚さもルイスの美点だろう。
アルバートは優しく笑いかけてから、ルイスの着ている服に意識を向けた。
「この服はどうしたんだい?大佐の話では、仕立て屋が服を持ってくるのは明日なんだろう?」
「昼間のうちに仕立て屋を呼んで採寸をしたので、明日には完成させるよう伝えています。今ルイスが着ている服は、ひとまずサイズの合う服を買い取っておいたんですよ」
「そうか。よく似合っているね、ルイス」
「あ、ありがとうございます」
上質なオフホワイトのドレスシャツに、濃い目の紫色をしたリボンタイ。
銀細工のついたサスペンダーで止めた紺色の短パンに少しだけ踵の高いブーツを合わせた格好は、正しく貴族出身の子どもといった華やかな出で立ちだ。
ウィリアム含め、幼少期の彼らを着飾らせることが出来なかったアルバートとしては、子どもらしく可愛い正装をする姿を見ることが出来たのは僥倖と言って良い。
「ウィルの見立てかい?さすがだね」
「ふふ。今頼んでいる服も、せっかくなので色々注文をつけてルイスに似合うようオーダーしました。明日の完成を楽しみにしていてください」
「ぼくとしてはすぐにもどるのであれば、わざわざしたてやにたのまなくてもいいといったのですが…」
「何を言っているんだい、ルイス。可愛い君によく似合う服を用意するのは当然じゃないか」
「いずれ戻ってしまうのだから、今のうちに写真に残しておかなければならないしな。明日は忙しいぞ、ルイス」
「は、はぁ…」
兄二人の言葉に逆らう気など毛頭ないルイスは反論も出来ず、ただ控えめに頷くのみだった。
その拍子にふわりと揺れた髪を撫で、アルバートはそのままルイスを抱き上げる。
元のルイスを抱く機会などないから比較は出来ないが、やはり随分と軽く感じてしまうことに感動を覚えた。
頭も体も手も足も全てが小さく、力を込めれば折れてしまいそうだ。
子どもは庇護するべき対象であると、今なら身を持って理解出来る。
「にいさま?おもいでしょう、おろしてください」
「大丈夫、軽いよルイス」
「…ウィリアムにいさんもアルバートにいさまも、だっこがおすきなんですね」
「そうだね、ルイス限定でかな」
アルバートに抱かれながら二人の兄を見るルイスに、ウィリアムは頬を撫でながら明確に答えを返した。
小さくなった末弟を愛でる長男と次男の姿は、傍から見れば仲の良い兄弟に映るのだろう。
だが普段の彼らを見慣れているモランは、呆れたように息をついては今日何度目かの突っ込みを入れた。
「今のおまえら、まるでルイスの親父みたいだな。兄弟ってか親子みてぇ」
「モランさん!だれのせいでこうなったとおもってるんですか!」
「悪かったって、ルイス。もう何度も謝ったんだからいいじゃねーか」
「そういうもんだいではありません!ウィリアムにいさんだけじゃなく、アルバートにいさまにまでごめいわくをかけることになるんですからね!」
「別にそいつら二人は迷惑だなんて思わないって言ってんじゃねーか」
「だから、そういうもんだいではないといっているでしょう!」
アルバートの腕の中からモランに向けてきーきー騒ぐルイスすらも、兄二人は微笑ましく見守っている。
ルイスの心情はさておき、体に害がないのであればモランの行動には感謝している。
普段は弟贔屓な二人だが、この時ばかりはモランの味方だった。
「あーもう、この機会にアルバートを親父だと思って甘えればいいじゃねーか。おまえ、親いなかったんだろ?いいチャンスじゃねーか」
「…なるほど。それは良い案だな、モラン大佐」
「あ?」
モランが適当に言った言葉に反応したのはアルバートだった。
大いなる目的のため未だ独身だが、アルバートの年齢からみれば子どもがいてもおかしくはない。
五歳程度の子どもがいても違和感はないほど、今のアルバートとルイスは年が離れているのだ。
どうせこの先、子育て含めて親という経験をすることはないのだから、確かに良い機会かもしれない。
「どうだろうルイス。せっかくの機会だし、私の子どもになってくれないか?」
「え?」
「存分に可愛がってあげるよ」
「…」
腕の中に居るルイスを見て、アルバートはからかうように微笑んだ。
これだけ可愛い弟ならば我が子であっても構わない。
そんな思いから出た冗談のようなものなのだが、ルイスは大きな目を更に見開いて呆然とアルバートを見た。
言葉が出ない、を体現したような顔だ。
その反応に少しばかりの疑問を感じていると、ふっくらとした頬を段々と膨らませて拗ねたように表情を変える。
アルバートのシャツを掴んでいた手にも力が籠っているようで、今の発言がルイスの琴線に触れたことは間違いないようだ。
「…なんでそんなこというんですか」
「ルイス?」
「アルバートにいさまはぼくのにいさまなのに…なんでぼくのおとうさまになるなんていうんですか」
「ルイス、ただの冗談だよ」
「…ぼくは、にいさまのこどもじゃなくておとうとです。アルバートにいさまのおとうとです。むすこじゃないです…」
むぅ、と唇と尖らせて拗ねる姿は文句なしに可愛い。
ましてやその唇から出る言葉もアルバートの兄としての矜持を心地よく刺激する、破壊力抜群の言葉だった。
子どもじゃ嫌だ、弟が良い、と言われて嬉しく思わない兄はいない。
ましてやアルバートは兄として生活しておりながら、ルイスとウィリアムの二人によってようやく兄としての自覚を持てたのだから。
そのきっかけであるルイスの言葉が響かないはずがなかった。
アルバートは震える心のまま、腕の中のルイスを目一杯に抱きしめた。
「っ~~~!!?」
いや正しく言うならば、腕の中のルイスを目一杯に締め上げた。
「お、おいアルバート!おまえの力で今のルイス抱きつぶしたら冗談抜きで潰れるぞ、そいつ!」
「え、あ、あぁ、そう、だったな。すまなかったルイス、大丈夫かい?」
「ッケホ…、だ、いじょうぶ、です」
アルバートは文字通り締め上げていた力を緩めて腕の中のルイスを見れば、一瞬で酸素を消費したのか、息を荒くして呼吸を整えている姿が目に入った。
元軍人であり現在も鍛えているアルバートの筋力に耐えられるほど、今のルイスは身体が出来上がっていない。
そんな分かりきったことを忘れるほどに、ルイスの言葉が衝撃的だったのも事実だった。
アルバートとルイスのやりとりを見たウィリアムは、額に手を当てて絞り出すように呟いた。
「僕の兄さんと弟が可愛い」
「…ウィリアム、おまえ何言ってんだよ」
「いや何でもないよ、モラン。兄さん、ルイスを一度預かりましょうか」
「あぁ頼む、ウィル。このままではまたルイスを抱きつぶしてしまう」
「ふふ、気持ちは分かりますよ。ほらおいで、ルイス」
「にいさん…」
「すまないな、ルイス。あまりにおまえが可愛くてつい…わざとじゃないんだ、許してほしい」
「いえいいんです、にいさま。ぼくのからだがついていけないのがわるいんですから」
ウィリアムはまだ顔を赤くして呼吸を整えているルイスを受け取り、その小さな背中を擦って宥めていく。
しばらくその状態で過ごし、段々と落ち着いてきたルイスは眉を下げて謝罪をするアルバートに向き合って大きな猫目を細めて笑いかける。
「ぼく、にいさまのおとうとがいいんです。だからアルバートにいさまは、ずっとぼくのにいさまでいてくださいね」
その言葉に、勿論だ、と言わんばかりの抱擁で返すため、アルバートはウィリアムに抱かれたルイスごと弟二人を力の限り抱きしめる。
さすが成人済みのウィリアムだけあって、ルイスを庇いながらその力強い抱擁を受け入れていた。
(明日はアルバート兄さんと小さいルイスのツーショットを撮らないことには何も始まりませんね)
(何を言う、ウィリアム。おまえとルイスを撮らずして何を記念に残すというのだ)
(それはこちらのセリフですよ、兄さん。お二人の写真をなくしては記念も何もありません)
(おふたりとも、ぼくはアルバートにいさまとウィリアムにいさんのおしゃしんがほしいです)
((それは駄目だよ、ルイス))
(え、どうしてですか?)
(ルイスがいない写真を明日撮っても意味がないだろう?)
(あぁ。私としては社室に飾るおまえたちの写真がほしい)
(僕は手帳に挟むための兄さんとルイスの写真が必要です)
(…おまえら三人で撮ればいいじゃねーか)
(愚問だな、モラン大佐。当然三人でも撮るが、私は可愛い弟達だけの写真が欲しいのですよ)
(僕もさっきみたいなアルバート兄さんとルイスの様子を写真として残しておきたいんだ)
(でしたらぼくも、にいさんたちだけのおしゃしんがほしいです)
((だから、明日は駄目だよ、ルイス))
(…むぅ)
(諦めろルイス。明日のおまえはひたすら写真撮られるだけの子役モデルだぜ)
(だれのせいですか、モランさん)
(俺のせいっちゃ俺のせいだけど、あいつら喜んでるし結果オーライだろ)
(ぼくのいけんはむしですか)
(おまえがあいつらの意見を無碍に出来んのか?)
(…)
(明日は大人しく新しい服着てモデルでもするんだな)
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